
診断結果を生成AIで活用する基本的な考え方
利き脳診断の結果を生成AIで活用する際は、印象や思い込みをもとに生成AIに適当な判断を求めるのではなく、診断によって得られた正確なスコアを前提にすることが大切です。
生成AIに相手の言動や印象を入力して、「この人はどのタイプか」「どのような傾向がありそうか」を推測させることもできます。
しかし、その場合は、入力する人の主観や切り取り方が入りやすくなります。さらに、仮に主観や偏りをできるだけ抑えたとしても、生成AIに十分な判定材料を与えるには、その人についての多くの観察情報を整理して入力する必要があります。
判定は利き脳診断で行い、診断によって得られたA・B・C・Dの正確なスコアを前提にして、その結果の活用を生成AIで広げる、というのが基本的な考え方です。
生成AIに入力する際は、以下のポイントを押さえることで、より具体的で実践的な回答を得やすくなります。
1.スコアと判定ルールを入力する
生成AIには、利き脳診断で確認されたA・B・C・Dの4つのスコアを入力します。
その際、単に
「A80、B30、C60、D30です。」
と入力するだけでは不十分です。
あわせて、次の情報を必ず伝えます。
● ハーマンモデルをベースとした診断のスコアであること
● A・B・C・Dの合計が200点であること
● 48点以上が優勢脳と判定されること
特に重要なのは、「48点以上が優勢脳」という判定基準です。
この前提を伝えないと、AIがスコアの高低や優勢の意味を独自に解釈し、回答がぶれる可能性があります。
診断結果をAIで活用する際は、スコアと判定ルールをセットで入力することが、最も基本となるポイントです。
たとえば、「A75・B65」の人と、「A75・B48」の人は、どちらも分類上は同じ「ABの二重優勢」です。
しかし、Bが65の場合と48の場合では、Bの特性の出方や、Aとのバランスは異なります。
従来のタイプ分類や「結果シート」上では同じABタイプとして扱われる場合でも、生成AIにそれぞれの正確なスコアを入力すれば、2人の違いを踏まえた異なる回答を得ることができます。
2.自分のスコア、相手のスコアを使い分けて入力する
自分のスコアを入力
自己理解を深めたい場合は、自分自身のスコアを入力します。
「結果シート」には、タイプ別の総評や、ワークスタイル、ラーニングスタイル、得意タスクなどが表示されています。
生成AIに自分自身のスコアを入力することで、そうした定型的な説明をもとにしながら、各スコアの強弱や差を踏まえて、自分の特徴をより詳細に確認できます。
また、結果シートに直接記載されていない項目、たとえば報告・相談の仕方、ストレスを感じやすい場面、モチベーションを保ちやすい環境などについても、スコアをもとに具体的な回答を得ることができます。
相手のスコアを入力
相手の特徴や傾向を深く知り、そのうえで関わり方について具体的な回答を得たい場合は、相手のスコアを入力します。
自分の場合と同様、相手のスコアを入力することで、タイプ別の定型的な説明だけでは見えにくい特徴や傾向を確認できます。
さらに、上司、部下、同僚など、相手との関係性に応じて、1on1の進め方、メールでの伝え方、会議での発言やプレゼンでの伝え方などについて、具体的な回答をすばやく得ることができます。
同じ1on1やメールでも、相手との関係性やタイプによって、適した進め方や言葉の選び方は変わります。
3.相手との関わり方を考える場合は、自分のスコアも入力する
相手との関わり方を考える場合は、相手のスコアだけでなく、自分自身のスコアも入力します。
相手のスコアを入力すれば、その人の特徴や傾向に合わせた回答を得ることができます。
しかし、実際のコミュニケーションは、相手のタイプや場面だけで決まるものではありません。
同じ相手、同じ場面であっても、自分のタイプによって、伝わりやすい言い方、誤解が生じやすいポイント、注意すべき関わり方は変わります。
たとえば、同じAさんと1on1を行う場合でも、面談を行う側のタイプによって、適した進め方や言葉の選び方は変わります。
自分のスコアも入力することで、「Aさんに合う一般的なシナリオ」ではなく、「自分がAさんと向き合う場合のシナリオ」として、より具体的な回答を得やすくなります。
4.個人情報や社外秘情報は入力しない
生成AIに入力する際、氏名・会社名・部署名・メールアドレスなど、個人や組織が特定される情報を入れる必要はありません。
自分や相手を区別できれば十分ですので、「私」「Aさん」「Bさん」「Cさん」「上司」「部下」「同僚」「取引先」などの表記で問題ありません。
また、社外秘情報、未公開情報、顧客情報、契約条件など、外部に出すべきではない情報も入力しないようにしてください。
一般の生成AIサービスを利用する場合はもちろん、会社や組織で契約している生成AIを利用する場合も、入力してよい情報の範囲については、所属組織のルールに従ってください。
5.相談したい場面や目的を具体的に伝える
スコアと判定ルールを入力したら、次に「何について知りたいのか」「どの場面で活用したいのか」を具体的に伝えます。
自己理解であれば、自分の強み、注意点、ストレスを感じやすい場面など、何を知りたいのかを伝えます。
相手について知りたい場合も、相手の考え方、伝わりやすい言い方、関わる際の注意点など、知りたい内容を具体的にします。
また、1on1、メール、会議、プレゼンなどの場面で使う場合は、誰に対して、どのような目的で使うのかに加えて、1on1なら所要時間、メールなら文字数やトーンなども伝えると、より実用的な回答を得やすくなります。
たとえば、次のように、目的や場面、相手、所要時間、文字数などの条件を入力します。
- 自分の強みと注意点を、仕事で活かす観点から整理してください。
- 部下のAさんと30分の1on1を行います。Aさんのタイプに合わせた進め方と、質問例を考えてください。
- 同僚のBさんに、明日17時までに資料提出を依頼するメールの件名と本文を、150字程度で作成してください。
- 上司のCさんに新しい企画を提案します。Cさんのタイプに合わせて、説明の順番と注意点を教えてください。
6.分からない点は追加で質問し、回答を深める
生成AIの活用は、一度質問して回答を得たら終わりではありません。
回答の中に分かりにくい点や、腑に落ちない点がある場合は、そのままにせず、追加で質問して確認することが大切です。
たとえば、生成AIから「このような言い方を加えるとよい」「この行動を取り入れるとよい」といった回答が出た場合でも、その理由が十分に理解できないことがあります。
そのようなときは、次のように続けて質問します。
- なぜその言い方が有効なのですか。
- 私のスコアのどの部分と関係していますか。
- もう少し具体的な場面で説明してください。
- この行動が私にとって有効な理由を教えてください。
- 10個の提案のうち、7番がピンときません。なぜこれを取り入れるとよいのか、もう少し詳しく説明してください。
また、回答された内容が自分の状況に合っていないと感じる場合は、自分の状況を補足して聞き直すこともできます。
- 今の職場では少し実行しにくいです。
- もっと短い言い方にしてください。
- 相手が上司の場合に使いやすい表現にしてください。
- 私の性格上、いきなりこれをやるのは負担が大きいので、もっと小さな行動にしてください。
生成AIとのやり取りは、一問一答で終わらせるものではありません。
回答をもとに質問を重ねながら、自分にとって分かりやすく、実践しやすい形に整えていくことができます。
分からない点や違和感がある場合は、そこで止めずに追加で質問することで、診断結果の理解を深め、実践に活かしやすい回答に近づけることができます。
なお、同じテーマについて同じチャット内で続けて質問する場合は、毎回スコアや判定ルールを入力し直す必要はありません。
ただし、前回の入力から時間が空いた場合や、話の前提を整理し直したい場合は、あらためて必要なスコア・判定ルール・基本情報を入力してください。
一方、自己理解、相手との関わり方、チーム全体の分析など、扱うテーマが変わる場合は、新しいチャットを作成し、その最初に必要なスコア・判定ルール・基本情報を入力してください。
7.実践結果をフィードバックし、次の活用につなげる
生成AIの回答を実際の場面で使ったあとは、その結果を次の活用につなげることが大切です。
たとえば、生成AIに1on1の進め方を相談し、それをもとに面談を行った場合は、面談後に「相手がどのように反応したか」「うまくいった点」「想定と違った点」などを生成AIにフィードバックします。
そうした実践結果を伝えることで、次回の1on1では、前回のやり取りを踏まえた、より相手の実情に合った進め方や質問内容の回答を得やすくなります。
同じように、メール、報告、相談、会議、営業場面などで生成AIの回答を活用した場合も、実際に試してみた結果を入力することで、次回の回答をより現実に合った内容に調整しやすくなります。
ここまで、診断結果を生成AIで活用する際の基本的な考え方を説明してきました。
そのうえで、最後に忘れてはならないのは、人は診断結果のスコアだけで完全に分析できるものではないということです。
また、生成AIの回答は、100点の正解としてそのまま扱うものではなく、実践に向けた判断材料です。
正確なスコアを入力した場合でも、生成AIの回答はそのまま実行するのではなく、実際の相手や場面、文脈や行間を踏まえながら、「最後のひと手間」をご自身で加えたうえで活用してください。
その目的の範囲内で、自由にご利用いただけます。
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